絶家供養の祀り方
絶家供養の方法は大きく二つにわかれます。先祖代々の墓があり、自分の代で跡をとる者が無く、絶家となる場合です。このケースで本家供養の場合は、五輪塔を建立して先祖を含め代々の戒名を刻み永代供養を管理墓地にお願いしておくのが一番良い方法です。五輪塔は竿石に戒名や法名を多く刻むことが出来、ご先祖をゆったりと収容できるのです。ただしこの際、最低30年は撤去されずにお墓を管理維持してくれる霊園を選ぶべきです。
傍系供養の場合は、過去帳などで歴代の仏の戒名を調べ、その戒名を位牌に刻入し永代供養お願いします。お墓が残っている場合は墓石は撤去し、戒名の書かれている竿石(さおいし)は慰霊塔へ合祀し、台石は廃棄処分とします。お骨は無縁慰霊塔がありますのでそこに埋葬するのが良いでしょう。わからない場合はお寺か徳風会にご相談ください。
次に自分たちで新たにお墓を建立する場合(分家初代)ですが、生前墓を建立します。分家とは言っても現在自分があるのは親や先祖があってのこと、先祖の祀りも行ってください。この場合も三段墓より五輪塔を建てることをお勧めします。また、当主が死後お墓を建てて欲しいという依頼があった場合は、依頼どおり建ててあげるべきでしょう。だだし費用などはそこの家の残された遺産より捻出することです。建立者は「親族一同」もしくは「縁者一同」とするとよいでしょう。
生前にお墓を立てることを寿陵(じゅりょう)といいます。最近は絶家の場合でなくとも自分のお墓を自分で選び、家族に迷惑をかけないために建てるこの寿陵が多くなってきています。この場合亡くなったあとに建てられた墓と同じように生前にお坊さんに開眼(入魂)のお経を唱えてもらい魂を入れ、戒名もいただき、墓に赤字で戒名を刻入しておくのです。
夫婦のみの場合は二人の戒名を入れますが、先になくなった人の戒名はその時点で黒に戻します。そして後に残った人が、自分の亡き後のお墓の処理を親類・縁者か親しい人に依頼していくのが一般的です。永代供養をお願いし、お墓を残すことも可能ですが、特に傍系供養の場合は前述の傍系供養のように数年後にはお墓を撤去することが好ましいと思います。長い月日の間には訪れる人もなく無縁墓と同じ状況になることが予想されるからです。
- 代々の墓を五輪塔に建て替えて、先祖を含め代々の戒名を刻み、お寺に永代供養をお願いする。
施主 縁者一同 - 夫婦健在の場合は生前墓(五輪塔)に先祖の戒名と自分たちの生前戒名(赤字)をいただき、死後に黒字にする。後に残ったものが親類、縁者に永代供養を依頼する。
続く
お墓は上から「竿石」「上台石」「下台石」で構成され、無縁墓や絶家となった墓は一番上に載っている「竿石」だけを合祀します。
参考資料 三段墓
吉相墓の一般的な形の墓です、福・禄・寿の三段階からできており、この三段階はすべて同一材質の石でできています。 参考資料