水子供養
古くより間引きされた子供、堕胎された子供、流産した子供を「水子」(みずこ)と呼んでいました。これは「水の神」を出産する「産神様」と信仰があったことと共に、間引きした子供を川に流して葬ったことに由来すると考えられています。また、堕胎された子供を「血塊」という悲しい呼び方をすることもあります。「七歳までは神のうち」という言葉がありますが、水子はこの世に誕生することができずに魂の宿る肉体をなくし、この世と他界に浮遊し続けているのです。
母親の胎内にあった小さな命の息吹は決して草木のようなものでなく、あなたのこの世での系譜に存在するはずだった子です。たとえこの世での系譜にはなくても、あなたの魂の系譜には存在しているのです。先祖を祀るのとなんら変わるところはありませんので、水子の魂を放置したままにしてはいけません。
水子は地蔵の石塔を逆位にして建てます。
私どもが各地で相談を受けておりましても、ほとんどといってよいぐらい、水子のおられる方がいらっしゃいます。そういう方々に、水子をどのように供養しているかとお尋ねしますと、供養心のある方の場合は、お寺様に戒名をつけていただき、過去帳に入れてもらったり、水子地蔵を作って、お寺さまに祀っていただいている、とお答えになります。しかし、半数以上の方は、悪いこととは思っているが、何もしていないと答えられます。
なかには、水子は祀らなくてはいけないものなのか、形も何もないものだし、恥ずかしい気がすると不満気におっしゃいます。
水子をお祀りもせず、供養もしていない方を見ていきますと、子供たちに非常に悪い影響が出ていきます。たとえば、意志薄弱、よく事故に遭う、親に反抗する、病弱といった内容です。とくに水子が3名以上いるのに、何の供養もしていないと、子供がノイローゼになったり、グレたりします。また、水子を供養しない報いは、親にも出て、交通事故に遭ったり、子宮ガンや乳ガンになったりします。
妊娠すれば十月十日後には子供が生まれてきます。生まれれば、その日からお乳をやり、下着を替えたりして、愛情を惜しみなく注いで育てます。経済的な面でも、今、子供一人育てるのに3000万円から5000万円くらいかかるといわれます。水子は自分のからだの都合や夫婦の都合で世に送り出すことができなかった姓名です。
生まれた子供ばかりかわいがり、お金をかけ、水子のことは顧みないでいると、水子は、自分のことも気にかけて欲しいと合図を送ってきます。これが子供や親への病気や事故となって現れるのです。
続く
水子の場合、流産や死産、または中絶や堕胎などで子供がなくなった日を命日とします。とくに、遺体や遺骨のある水子さんの場合は、ご供養をより念入りに執り行ったのち
「お墓」に納骨します。