はじめに
今、代々のお墓を守る人がいなくなった
最近、特に多いご相談が「絶家」についてです。絶家とは、文字通り跡継ぎがなく家が絶えてしまうことです。
近年、核家族化や少子化が進み、墓を建て、先祖供養をする跡取りが絶えてしまうといった家が多くなりました。
これは大変危惧すべき事態です。
しかし、先祖供養や吉相墓の書籍はたくさんありますが、絶家した家の祀り方について重点を置いた内容の本はほとんどありません。
そこで先祖供養の正しい祀り方はもち論、全国の絶家について悩める多くの方たちのための手引きとして、この本を出版するに至りました。
まず、絶家になる前に、そうならない努力をしていただきたいと思います。絶家になってしまった家は、そうなってしまった原因があるのです。
墓も建てていない、先祖供養もしていないという家が多いのです。どうすれば絶家を防ぐことができるのか、
しかしいろいろな事情が重なって、やむをえず絶家になってしまった場合のご先祖様の祀り方について本書で詳しく解説いたします。
絶家にならないようにするためには、二通りの供養が必要となります。一つは直系供養、もう一つは傍系供養(母・妻方)です。
両方のご先祖様がいて、現在の自分があるわけですから、二つともおろそかにせずに、きちんと供養することです。
直系はお墓と仏壇で祀りますが、傍系は寺や神社など外で祀るようにします。または実家で供養させてもらいます。また、養子をもらった場合には、その里(実家)の供
養も行います。
これらの供養をきちんと行い、今、自分があるのはすべてご先祖様のおがげだと感謝しなければなりません。
正しい祀り方をしていれば、絶家になることを防げるのです。
不幸にも跡取りがおらず、絶家となってしまった場合には、次のように祀ります。
子供ができず夫婦ふたりだけの場合、それぞれの墓を建てます。ご主人が先に亡くなった場合は、奥さんがご主人の墓を祀ります。
そして自分の戒名(赤字)とご主人の戒名を両方刻んで、自分が生きている何年かをお墓で祀ってあげるということが大事です。
それが夫婦であった証というものです。
二人の死後は、世の中の人が供養してくれます。墓地のまわりもきれいにお掃除してくれることでしょう。
また、子供が女の子ばかりで、嫁いでしまったので絶家になってしまった家があります。
「嫁に行ってしまったんだから、私たちは絶家になってもいい。骨は海にでも捨ててくれたらいい」という方が多いのです。
しかし、これはいけません。絶家は絶家を呼ぶのです。今度は娘さんが子供に捨てられて絶家になってしまうのです。
一番良いのは、娘さんの息子を養子とすることですが、そうは簡単にはいかないでしょう。
その場合は、夫婦の墓を作り、お彼岸と正月くらいは、供養してもらえるようにしておきましょう。娘さんもお墓参りのために里帰りできます。
自分の子供におじいちゃん、おばあちゃんの話ができるわけです。詳細は本文をお読みください。
自分達夫婦がこの世に存在した証、歴史を墓という形にして残すことが大事です。
この他にも、数多くのケーススタディをご用意いたしました。ご自分のケースに近い例が必ずあると思います。
解決方法を見つけて実行し、毎日を生き生きと過ごしていただければ幸いです。