最近では、水子地蔵を安置してお参りをすすめるお寺が多くなりました。そうしたお寺のお地蔵様にお参りして香華を手向ける人も目立つようになりました。また、お地蔵様を作って、お寺の祭壇に安置し、お祀りするようなことも増えています。
こうした方法もやらないよりはましですが、問題も少なくありません。これだけでは子供を保育園に預けっぱなしで何の面倒もみないのと同じです。また墓石に水子諸霊位とだけ入れてお祀りしている場合もありますが、この世では、誰しも自分の名前を持っています。水子も同じで、個々に名前、いわゆる戒名をつけてお祀りしなくては、何にもならないのです。
私どもでは、3ヵ月以上の場合は、かならず戒名をつけてお祀りするようにおすすめしています。もちろん、何人いても、それぞれの水子に戒名をつけて供養します。特別な事情がない限り、自分たちの墓地で供養してあげてください。
お地蔵様を建てる余裕がなかったら、木標でもかまいません。とにかく自家の墓地にお祀りすることが大切なのです。
近年とくに多くなっている水子は、未婚者の水子です。結婚前の過ちで、子供ができたために、流産させてしまうケースで、当然この子らは闇から闇へと葬られる場合が多いのです。しかし、一度は世に生を受けたのですから戒名をつけて祀る必要があります。この場合は家で供養できませんので、お地蔵様をつくり、その横に戒名を彫り、お地蔵様の棹石を水子供養塔か無縁塔に入れて祀るか、位牌で永代供養をお願いしなければなりません。
子供の霊の祀り方 地方によっては、子供を祀らなかったり、ご先祖様とは違う場所にいるところがあります。それは、子供を正式に祀ると、また子供を取られるというところからきているようですが、お寺様の過去帳にも記載されず、家の仏壇にもお祀りしていないというケースが多々あります。
そういった慣わしのない地方でも、戒名を頂いて葬式もしたが、それきり何もしていないとか、最初はお祀りしたが、いつのまにかしなくなったというふうに、子供の仏が祀り抜けになっている例が少なくありません。
そのようなお宅を見ていきますと、代々子供はたくさん授かるのですが、そのうち何人も小さいうちに亡くなってしまい、数人しか長生きできないというケースが多くなっています。
また事業を行っているお宅の場合は、従業員のことで、いろいろ問題が起こりやすくなります。
何歳で亡くなっても、仏様には変わりはありません。たとえ小さくてもお墓を作り、戒名をいただいて祀り、大人のご先祖様と同じく、きちんと年忌供養をしてあげることが必要です。
子供の仏様の祀り方は、50年以上たった仏さまは五輪塔に入れてお祀りをしてください。新しい仏様はお地蔵様のお墓を建ててお祀りしてください。
逆死の祀り方
●成人した男子の逆死者はFの位置に逆死墓を建て、女子の場合は観音様を建てて戒名を刻んで祀る。
●幼児・水子の場合はGの位置に地蔵尊を建てて戒名を刻んで祀る。