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幸せを運ぶ先祖供養

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第2章 幸せを呼ぶお墓造りの常識
吉相墓と一般墓の違い
 顔に人相が手には手相があるように、墓にも墓相があるのです。つまり、手相に運の良い手相と悪い手相があるように、お墓にも良い運を招くお墓、すなわち「吉相墓」があり、当然良い運を招くお墓を建てたいと思うのは人の常でしょう。まず一般墓とはその時代によって多少変わってきていますが、現在の一般墓は「〇〇家之墓」や「先祖代々墓」というように石碑には家名が刻まれて、戒名は墓誌に記され、何代にもわたり骨壷を入れることができる納骨室(カラート式)がある墓です。つい最近までは、それぞれの先祖を別々に祀り、戒名を墓石に刻んでいた墓がメインでした。しかし日本人の価値感も変わり、さらに地価の高騰や公営の墓地の不足などによる社会的な要因が加わり、カラート式の現在のような形式の墓が多く見られるようになりました。当然、こうした考えのもとでは、正しい先祖の供養がなされるお墓ではなくなってしまったのです。そして、お墓は単にお骨を入れられればよいとする納骨堂的なものになりました。
 吉相墓の考え方は道教から派生した風水(ふうすい)の思想です。そこでお墓の配置の方位、地形、形、広さ、墓石の質や色などが重要な要因とされます。さらに吉相墓にとって大事なのは「お墓を先祖の姿と思う」という考え方が基本です。親の墓は子供が建てて、先祖を敬います。そして、心を込めて祀ることによって先祖からの「気」をもらうことにより安心して任せられる相続人に恵まれ、子孫が繁栄し家庭がいつまでも続くことを願って建てるのです。たとえば、お墓を自分の家と思ってみてください。周りをコンクリートに囲まれ、さらに狭い壷に閉じ込められ、多くの人と一緒にされては幸運を呼ぶ「気」を出すどころではありません。夫婦の墓で、土に還りのびのびと過ごす環境があれば、子孫の幸福を願い良い気運を運んでくれるでしょう。また、ただ大きく立派なお墓を建てることが、先祖への供養ではありません。風水の利にかなった吉相墓をつくり、心をこめたお参りをすることが先祖の霊に安らぎを与える一番の近道なのです。

吉相墓を造る第一歩は家系図から
 「祖父母以上は名前もわからないし、会ったこともないのだから、それ以上は祀らなくてもよい」とか、「何代目かで養子となり、血のつながりはそこからだから、養子に来た方よりお祀りする」とか、「除籍謄本(じょせきとうほん)でわかる人からお祀りすればよい」などという話をよく耳にします。
 これは大きな間違いです。このような考えで、先祖調べをおろそかにしてお祀りをしますと、大変なことになります。男の子ができても育たないとか、養子相続になったり、絶家になったりするケースが出てきます。
 病気では、特に胸から上の病気にかかる人が出ますし、血液関係の病気、精神的な病気などが子孫に出てくるなど、影響は小さくありません。
 祀り抜けや祀りの順位を間違えないで、五輪塔やお墓を建立し、正しく戒名を刻むためにも本家の場合は先祖をよく調べ、家系図を作ることが一番大切なことですし、先祖供養の第一歩になります。
カラート式墓
遺骨を納めるために、墓石の下に設けた石室のある。

風水
中国の伝統的な自然観のひとつ。都市や住宅・墓などを造る際に、地勢や方位、地脈や陰陽の気などを考え、すべてによい自然環境を求めようとするもの。
除籍謄本
戸籍に記載のある人が全員いなくなった場合(婚姻によって他の戸籍への移動や死亡等)や他の市区町村へ転籍した場合などは×印をつけ抹消されます。全員が×印になったものを複写したものが除籍謄本です。