京都のとある警察署の刑事部屋が本部の指示で改装されることになりました。
この部屋は、以前から家鳴りがする、幽霊が出る、うなされると古参の署員の間で噂されていました。 たまたま柔道何段という新任署員が、「今時そんな馬鹿なことが・・・・」と意気込んでこの部屋に寝たところ、夜中に青くなって逃げだしてしまったとのことでした。 修理などでこの部屋をいじると武道練習中に署員が大怪我をしたり、迷宮入りの事件が発生するなど、鬼門と言われていた部屋でした。 しかし至上命令とあって、改装しないわけにも行かず、 署長から「どうしたものだろう」と協力団体に相談がありました。 誰一人こうしようという者は無かったのですが、墓について多少教えられていた私は、「墓石が埋まっている」と直感がひらめいたのです。 |
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「よし、私が引き受けましょう。万事まかせてもらえますか」と提案しますと、皆渡りに船と無条件で一任されました。 さっそく竹谷先生に相談しますと、「墓石が埋まっているに違いない」とおっしゃられ、いろいろとご指導をいただきました。 刑事部屋の床下を掘ってみますと、60cm程下に六基の墓石が埋まっていたのです。 大見得をきったものの、もし墓石が出てこなかったらどうしようかとひやひやしていた私はほっと胸をなで下ろしました。 全く冷や汗ものだったのです。 さっそく、署長以下署員がはだしで、出てきた墓石をきれいに洗い清めました。 そして妙心寺慧照院の慰霊塔に合祀し、ねんごろにお供養いたしました。 それからは、その署では何一つ事故も無く、捜査本部をおくような大きな事件も起こりませんでした。 春秋の彼岸、お盆には代々の署長が慰霊供養を続けていらっしゃいます。 これは実話なのです。 |