大阪の堺市へ、お墓を見に行ったときのことです。
  風会会員の取引先の方でしたので、私も一緒に行きました。
 前が八尺(約2.4m)、奥行き七尺(約2.1m)位の墓地にお墓が二本建っていました。図のように真ん中の境界石が一本しかありませんでした。左は親類の墓で、小さくて形の良い墓でした。しかし、見てほしいと言われた右の墓は石碑の裏側に、父にあたる人が建てられたので「○○○○建之」と男性の名前が入っています。全面の左側の上の方には傷がありました。あまり類のない変わったお墓なのです。
 私は申し上げました。
「あなたの家は長男が相続できません。もし長男が相続すれば財産が減って何も残りません。 また女性で目の悪い人がいますね。男の人も肝臓が悪い人ができます。そして女の人に好かれる人になります。
気をつけなければいけないのは、隣にある親類の墓が、小さくて吉相墓に類似しており境界石は一本しか入っていないことです。二本入れてあってこそ別々の墓になるのですが、一本だとその境界石はどちらの家のだかわかりません。おそらく財産上の争いが生じ財産をなくされるでしょう」と申しました。
「隣の墓は母の里方の墓です。あなたが言われたとおり、妻は目が悪いし、私は長男で肝臓が悪いのです。母の里方と会社を設立し、私の方だけが損をして少々財産を取られましたが、その他のことはあなたの言うとおりにはなっていません。土地もまだたくさんあります」とおっしゃいました。
 そこで私は、「あなたの墓地を一つの財産と見ていきます。境界は無いのと同じですから、必ずあなたの財産は誰の物か分からぬ物になります」と申しました。
 その方の奥さんがこの話をお聞きになり、「ぜひ墓を直したい」と一緒に行った徳風会会員の方に頼みに来られました。そして墓建立の準備として戸籍謄本を取り寄せられました。
「この墓地では狭く、吉相の墓が建ちません。横の方に十尺(約3m)に九尺(約2.7m)位の土地があります。水の流れも良いのでここをお買いになり、徳風会の先生に土地を見てもらいなさい。特にあなたの家は早く吉相の式に直さないと、後で後悔するようなことが起こるように思います」と私は申し上げて帰りました。
 ところがそれから二週間後に、とんでもないことが起こったのです。親の死亡後、妹さんに財産を分けていなかったので妹さんの家がお兄さんの財産を差し押さえたのです。他の土地もわずかの借金の抵当に入っており、印鑑証明まで渡してあったので、ただ同然で押さえられてしまいました。その上ご主人は墓相に出ていたとおり愛人を連れて家出してしまったのです。奥さんがご主人の同棲している愛人宅へ押しかけて行ったのですが、愛人の方が若いのであべこべに突き出されてしまい、その後ご主人は愛人を連れて行方不明になってしまいました。
 一緒に墓を見に行った徳風会会員の方も、「あなたの言うとおりになりました。墓をやり変えるのが遅かった」とおっしゃられました。
 ご主人は前に海外で事故に遭われ、親も死んだとあきらめておられたのが、生きて無事帰国されたほど運の良い人なのですが、やはり日本に帰れば墓の形にひかれてその通りになったのです。墓とは不思議な物体です。



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