三年前のある日、二十六歳ぐらいの方が墓を買いに来られました。
　普通のお墓を買いに来られたのですが、竹谷先生ご指導の吉相墓をお勧めしました。 いろいろ、墓の相の不思議な事実などをお話ししている間に数時間が経ちました。 あれこれ疑問の点を尋ねられたうえ、「あなたが言われる吉相墓はなるほど結構なものですが、そうすると日本中墓で埋まってしまうのではないですか」とおっしゃいました。
「それは何もご存じない方の理屈です。人口は毎年増え、家もどんどん建っていますが、海に押し出された人はありません。 人間は次々生まれますが、死ぬ人もいるからです。墓もどんどん建ちますが、悪相の墓が次々無縁仏になっていきます。 約二十年後には半数が無縁仏になり、取り片づけられていきます。 無縁仏にならない墓を指導されるのが　徳風会です」

「だけど金持ちはお墓を建てられますが、金の無い者は建てたくても建てられないでしょう」
「墓のできるできないは、先祖のお徳によって決まるのです。先祖に徳がなければ、いくら勧めても悪相の大きな墓を建てられます。そんな墓は建ったときが頂上で、後は下り坂です。どこの墓地へ行かれても、墓地で一番大きな墓から絶えていきます。これは全く不思議なものですよ。お金がたくさんあれば、相続する子供がありません。養子か養女か、それとも血縁が絶えて家がなくなっています。自分の血縁の子供に財を相続させることができず、他人に相続させることは、お金があっても無いのと同じです。皆そうなっているのです」
「それでは、私に吉相の墓が建てられないのは、私の先祖に徳がないのですか」
「いいえ。徳があるからこそ、今こうしてあなたのお墓のことをお話し合いしているのです。あなたはご先祖から、何物にも替えがたい徳をもらっていらっしゃいます。一つ、あなたは金で買えない若さを持っておられます。二つ、私が見ていても、すごく健康です。これも金で買えません。三つ、今こうしてお話を伺っていても、あなたの人相はとてもよい、また金で買えない闘志を持っておられます。この三つを使い分けられたら、先祖のお墓を建てるくらい何でもないでしょう。どれもこれも、みなご先祖の徳によって授けられていらっしゃるのではありませんか。ご先祖があって、現在のあなたがあるのです」
　そんなお話をしているうちになるほどとうなずかれ、竹谷先生のご指導で吉相のお墓を建てられました。
　その方は現在、商売も繁盛し、徳風会の浄行には毎月欠かさず出ておられます。あなたの家の仏は、隣近所はもちろん、親類の者も祀ってくれません。あなたの家の方だけしか祀られる方はないのです。
　万象すべて相に支配されます。良い墓は良い家庭を招き、悪相の墓は悪因縁に支配されるのです。