京都市内のある真宗のお寺の墓地で起こったことです。
 墓相と申しましても、徳風会以外の墓を建てておられる方もあります。
 この日は、さきに建てた徳風会式の墓のその後の状態を見に行ったのです。他の墓相で建てておられる人が、師匠指導のお墓をいろいろと批判しておられるところへ私が通りかかったのです。
 私が、「あなたは墓のことを深くも知らないで、人様の墓を批判することはないでしょう」と申しますと、血相を変えて食って掛かられました。 自分の方が正しいのだと言って聞かないのです。
「では言いましょう。あなたの五輪塔の梵字の位置が逆さまです。法にかなったものを建てなければあなたの家庭は逆のことが起こります」と言いました。
「自分の墓の五輪さえも満足に建てられないのに、よく人の墓をとやかく言えたものです」と言いますと、
「それでは、この墓を言ってみなさい」ということになりました。
 剣道でいう他流試合を挑まれたのです。
 その時、墓地で花屋と墓守をしている人が居合わせました。運良くこの墓の家庭をよく知っておられるので、立会人になられました。
 まずあなたから言いなさい、と申しますと、
「第一に養子になる家です」と言われました。 あとは、と申しますと、「この家の人は次から次へ死んでいく家だ」と言われました。
それだけですか、と言うと、あとが言えないのです。
「では今度は、私が申します。この墓で一番大切なことから言いましょう。 あなたは次から次へと死人が出ると言われましたが、人間死ななければ化け物です。死ぬのが当たり前です。 だがこの墓は順当に死ねない家庭です。第一に鉄柵で囲い、錠前まであるので大問題を起こし、裁判沙汰になる家です。 長男が相続できず、長男相続の場合は財産が目に見えて減っていく家です。 また最も怖いのは、目が不自由になる家です」と言いますと、
花屋さんが、「この家には目の不自由な方がいらっしゃいます」
とびっくりされ、相手の人もなるほどと納得され、徳風会式に墓を直され、今は幸福で感謝しておられます。
なぜ目の不自由な人がでるか、図で説明いたしましょう。図2のように彫ってあれば、目の不自由な人はでませんが、図1のように彫ると、顔のところが「ずんべらぼう」ですから、目の不自由な人が出るのです。 とにかく石碑の文字の彫り方でなぜそうなるのか、説明はできないのですが事実なのです。墓とは不思議な神秘の形です。どうして目の不自由な人が出るのか、これは医学でも解明できないことです。
しかし、石碑の通りに家庭がなっているのですから不思議です。




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